パナソニックのクロモリ自転車(通称・パナモリ)は、2025年に大きな転換点を迎えました。一部モデルの廃番と全体的な価格改定が実施され、長年このブランドを気にかけてきたサイクリストの間で注目を集めています。
パナソニック サイクルテック株式会社が運営するパナソニックオーダーシステム(POS)は、1987年のスタートから現在まで一度も業務を中止することなく、大阪の工場で純国産フレームを作り続けてきました。そのクロモリラインアップが2025年3月10日の受注切り替えを境に整理されたことは、長く続いてきた製品体系の変化として受け止められています。
このページでは、2025年の廃番・価格改定の内容を公式情報をもとに整理し、今後のパナモリ選びに必要な判断材料をまとめます。パナモリを検討中の方はもちろん、クロモリロードバイクの現在地を知りたい方にも参考になる内容です。
2025年3月に何が起きたのか
パナソニック サイクルテック株式会社は、2025年3月10日(月)14時を境に、POSラインアップの一部廃番と価格改定を実施しました。この変更は同社が公開した公式PDFで正式に告知されたもので、廃番対象・継続対象・価格改定の幅がそれぞれ明記されています。
廃番となったクロモリモデル
クロモリロードバイクのフレームセット「FRCC44」は、2025年3月9日(日)の受注をもって廃番となりました。パナソニック サイクルテック株式会社の公式資料によれば、完成車仕様の「ORCC44」については限定数量に達するまで販売が継続されていますが、フレームセット単体での新規受注は終了しています。
FRCC44はダブルバテッドチューブとフルロストワックスラグを採用した本格クロモリロードで、フレームセットの定価が96,800円(税込)という戦略的な価格設定が注目を集めたモデルでした。純国産クロモリフレームとしては異例の低価格帯に位置していたため、廃番の報が大きな反響を呼びました。
なお、クロモリシクロクロスバイク「FCXCD03N」も同じく廃番対象となっています。こちらはタンゲ・プレステージチューブを採用したシクロクロス用フレームでしたが、クロモリ・リムブレーキ仕様の「FCXCC03」(2025年モデルではFCXCC04)は継続ラインアップに残っています。
チタンモデルとの同時廃番
2025年3月の廃番は、クロモリだけに限った変更ではありません。チタンロードバイクの「FRTC03」「FRTC13(Version L / Version H)」「FRTC23N」の3モデルと、チタンシクロクロスバイクの「FCXTD03N」「FCXCD03N」が一斉に廃番となりました。チタンラインアップはいったん全廃という形をとり、代わりにディスクブレーキ対応の新型チタンフレーム「FRTD05」「FRTD11」が同日より受注開始されています。
クロモリ側は廃番モデルを絞り込みつつ継続モデルを価格改定で残すという方針をとったのに対し、チタン側は旧モデルを全廃して新設計のディスクブレーキ対応モデルに世代交代した格好です。
クロモリ:FRCC44(フレームセット)/ FCXCD03N
チタン:FRTC03 / FRTC13 / FRTC23N / FCXTD03N
継続(価格改定あり):FRCC04→FRCC05 / FRCC13→FRCC14 など
- 2025年3月9日受注分が廃番モデルの最終オーダー期限
- クロモリのFRCC44はフレームセット廃番、完成車ORCC44は在庫限りで継続
- チタンは旧3モデルが全廃、ディスク対応新モデル2種に切り替わった
- クロモリ継続モデルは品番変更を伴う価格改定が適用された
パナモリクロモリの継続ラインアップ
廃番対象外のクロモリモデルは2025年3月10日以降も受注を継続しています。ただし品番が変更されるとともに価格が改定されているため、従来のモデル名で検索する際には注意が必要です。
継続クロモリロードの品番と価格の変化
2025年ラインアップ表(パナソニック サイクルテック株式会社の公式PDF)によれば、クロモリロードバイクの継続モデルは以下のとおり品番と価格が変更されています。
| 2024年品番 | 旧価格(税込) | 2025年品番 | 新価格(税込) |
|---|---|---|---|
| FRCC04 | 191,400円〜 | FRCC05 | 248,000円〜 |
| FRCC13 | 259,600円〜 | FRCC14 | 292,000円〜 |
| FRCC25 | 205,700円〜 | FRCC26 | 267,000円〜 |
| FRCC34 | 157,300円〜 | FRCC35 | 204,000円〜 |
価格改定の幅は1割〜3割程度で、近年の原材料価格の高騰やエネルギーコストの上昇が理由として公式資料に明記されています。品番末尾の数字が1つ上がる形での変更となっており、パイプ素材や設計の基本仕様に大きな変更があったわけではありません。
クロモリの主要パイプ素材は変わらない
パナソニックオーダーシステムのクロモリフレームには、日本製の高品質クロモリ鋼管が使われています。ラインアップ上位モデルのFRCC05(旧FRCC04)にはタンゲ・プレステージパイプが採用されており、FRCC26(旧FRCC25)にはKAISEI 8630Rパイプが使われています。これらのパイプ素材に関する変更は、2025年の廃番・価格改定時点では公式資料に記載されていません。
クロモリの特性として知られる「しなやかな乗り味」と「振動吸収性」は、素材由来の性質であるため、パイプの変更がない限り走行感に大きな違いは生じないとされています。ただし詳細なスペックの変更可能性については、パナソニック サイクルテック株式会社の公式サイトまたはPOS取扱店での確認をおすすめします。
ネーム入れサービス終了にも注意

価格改定と同時に、長年提供されてきた「ネーム入れサービス」も2025年3月10日以降の受注分から対応不可となりました。これはトップチューブにオーナーの名前や生年月日・チーム名などを入れるオーダーメイドの付加サービスで、個人所有の自転車としての一体感を高めるものとして支持されていた機能です。廃止の理由は「諸般の事情」として公式資料に記載されており、詳細は開示されていません。
- 継続クロモリロードは品番末尾が1番上がる形で2025年モデルに移行した
- 価格改定幅は1割〜3割程度で、原材料コストの上昇が公式理由として明記されている
- ネーム入れサービスは2025年3月10日以降受注分から終了
- パイプ素材の変更は公式資料には記載なし(詳細はPOS取扱店で要確認)
生産リードタイムの変更と安定供給の見通し
2025年3月の変更内容にはモデルの廃番・価格改定だけでなく、生産リードタイムの変更も含まれています。この点は購入を検討する際に見落としやすい部分ですが、納期に直結する重要な情報です。
クロモリ・チタンともにリードタイム変更
パナソニック サイクルテック株式会社の公式資料によれば、2025年3月10日以降の受注分から、チタンフレームおよびクロモリフレームの生産リードタイムはいずれも「ご発注から約1か月半(営業日30日)」に変更されました。なお同社はクロモリフレームについて、2024年4月より暫定的にリードタイムを変更していたことも公式資料に記載されており、今回の変更はその正式化に当たります。
営業日30日という表記は土日祝日・夏季冬季休暇・ゴールデンウィーク等を除いた実働日数であるため、暦日ベースでの所要期間は注文のタイミングによって変動します。具体的な納期はPOS取扱店を通じて確認する形になります。
生産体制の継続性
パナソニックオーダーシステムは1987年の開始以来、業務を中止したことがない点は、このブランドを語る上で重要な背景です。2025年の廃番・価格改定は「生産終了」ではなく「ラインアップの整理と価格の適正化」であり、パナソニック サイクルテック株式会社は大阪府柏原市の工場で現在もフレームの製造を続けています。
チタンフレーム:約1.5か月(営業日30日)
クロモリフレーム:約1.5か月(営業日30日)
※土日祝・夏季冬季・GW除く。確定納期はPOS取扱店で確認を。
「生産終了」という言葉の正確な意味
検索上でよく見かける「パナソニッククロモリ生産終了」という表現は、厳密には全モデルの生産終了を意味しません。2025年3月の変更でFRCC44などの特定モデルが廃番となったことを指した表現が広まった経緯があります。クロモリのロードバイク・ツーリングバイク・トラックレーサーのラインアップは、品番を改めた形で2025年3月10日以降も受注を継続しています。
- 2025年3月10日以降のリードタイムはチタン・クロモリともに約1.5か月(営業日30日)
- クロモリの生産自体は継続されており、ブランドとしての撤退ではない
- 「生産終了」という検索ワードは特定モデルの廃番を指している場合が多い
パナモリクロモリを検討するときの選択肢
廃番後の現行ラインアップにおいて、パナモリのクロモリフレームはどのような選択肢が残っているのかを整理します。価格帯・用途・仕様の違いを把握しておくと、自分の使い方に合ったモデルを絞りやすくなります。
ロードバイク系のクロモリフレーム4種
2025年3月10日以降も受注可能なクロモリロードのフレームセットは、FRCC05・FRCC14・FRCC26・FRCC35の4モデルです。価格帯は204,000円(税込)〜292,000円(税込)の範囲で、いずれもフレーム&フォークセットとしての販売が基本となっています(最新情報はパナソニック サイクルテック株式会社の公式サイトまたはPOS取扱店でご確認ください)。
FRCC05はタンゲ・プレステージパイプを使用し、1990年代の欧州レースを席巻したパナソニックバイクの直系モデルとして位置付けられています。FRCC14はKAISEI 8630RとKAISEI 017パイプを組み合わせたオリジナルラグ接合モデルで、高剛性かつしなやかな走りを特徴としています。
シクロクロス・ツーリング・トラックも継続
ロード以外では、クロモリシクロクロス「FCXCC04」、クロモリツーリング「FSS12」、フルオーダークロモリトラックレーサーが2025年ラインアップに残っています。FSS12はタンゲ・プレステージチューブとロストワックスラグを採用したスポルティーフスタイルのツーリングバイクで、通勤・長距離ツーリング用途として根強い人気があります。
ロード:FRCC05 / FRCC14 / FRCC26 / FRCC35
シクロクロス:FCXCC04
ツーリング:FSS12
トラックレーサー:フルオーダー対応モデル
※価格・仕様は変更になる場合があります。最新情報はPOS取扱店でご確認ください。
ミニQ&A:よくある疑問
Q. パナモリはもう買えないのですか?
A. 現在も受注販売が続いています。クロモリロードのフレームセットは2025年3月以降も4モデルが継続しており、POS取扱店を通じてオーダーできます。
Q. FRCC44はなぜ廃番になったのですか?
A. 公式資料には廃番理由の具体的な説明はありません。ただし同時期に実施された価格改定の背景として、原材料費・エネルギーコストの上昇が公式に挙げられており、低価格戦略モデルの維持が難しくなった可能性が指摘されています。
- クロモリロードのフレームセットは4モデルが継続受注中
- シクロクロス・ツーリング・トラックもクロモリラインアップに残っている
- 全モデルの最新価格と納期はパナソニック サイクルテック株式会社の公式サイトまたはPOS取扱店で要確認
まとめ
パナソニッククロモリの「生産終了」は、ブランドとしての撤退ではなく、2025年3月10日に実施されたモデル整理と価格改定のことを指しています。廃番となったのはFRCC44フレームセットなど特定モデルであり、クロモリロード・ツーリング・トラックのラインアップは現在も継続しています。
まずパナソニック サイクルテック株式会社の公式サイト(cycle.panasonic.com)のPOSページで現行ラインアップを確認し、その後POS取扱店に連絡して納期と在庫を問い合わせるのが、もっとも確実な手順です。
パナモリは1987年から続く純国産フレームブランドとして、現在も大阪の工場で製造が続いています。廃番情報に惑わされず、現行の選択肢をていねいに確認してから判断するとよいでしょう。

